RA108のテクニカルレポート

2008年01月30日 11:44

 昨日Honda Racing F1 Teamは待望の新車、RA108を発表した。以前ヴァレンシアテストの時にもRA108について触れたが、再びRA108について書く事にする。
RA108(20080130)

(画像はGPUpdate.netより)
 昨年エアロダイナミクスを大きく変更したRA107で2007シーズンを戦ったが、そのエアロで失敗。1年通して6ポイントしか獲得出来ず、期待はずれのシーズンを送った。他チームの殆どが昨年のマシンの正常進化型のマシンを開発したが、ホンダにとって失敗作とも呼べるマシンを正常進化させる事は再び1年を棒に振る事になりかねない。そのためRA108は主にエアロ面を大きく変更をせざるをえなかった。そのためホンダは昨シーズン中盤から体制強化を測り、ウィリアムズのチーフ・エアロダイナミストであったロイック・ビゴワなど、他チームからエンジニアを集めてきた。今回発表されたRA108はその新たな体制の下で開発されたマシンである。体制が変わった事により、エアロ面では昨年とは違ったアプローチの仕方が窺える。
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(画像はGPUpdate.netより)
 昨年細身のフロントノーズを採用したが、今年も細身のノーズを採用している。しかし、昨年とは違いノーズの位置は高く、そして薄くなっている。ノーズが高くなった事により、エレメントを支えるステーも延長され、その長さが他チームと比べても遥かに長くなっている。より多くの空気をボディ下に取り込もうとする意図が窺える。フロントウィングは2枚のエレメントから構成され、流行のブリッジウィングは採用されていない。しかし、開幕戦までに数回エアロのアップデートは行われる予定で、採用される可能性もある。
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(画像はGPUpdate.netより)
 RA108では大きなバージボードが採用された。今まで小さなバージボードを採用してきたホンダだが、今年はフェラーリ風のバージボードを採用した。バージボード後方はフェラーリ同様段差状になっており、乱流を整流する働きがあると言われている。
 ここ数年主流のパーツとなっているチキンウィングだが、今年はサイズが小さくなった。昨年はチムニーダクトと連結させていたが、今年は独立した形となっている。また、チキンウィングには切り抜きが施されており、形状はフェラーリの物に近い。
 また、多くのチームが採用しているサイドポンツーンのアンダーカットをホンダも採用。それはラジエター用のエントリーダクトの形状からも窺え、昨年まではどちらかと言えば台形のような形だった物が、RA108では三角形の形となっている。この処理の目的は勿論サイドポッドベンチュリーを得るためであり、この処理を施す事によってダウンフォースをかなり得られるようである。
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(画像はGPUpdate.netより)
 昨年はサイドポンツーンをかなり過激絞り込んだローバックダウンの形状だったが、RA108はそれを継承しつつも、昨年ほどの過激さは緩められたようだ。それはマフラーの位置から見て取れ、昨年はもう少し前にマフラーが配置されていた。とは言っても、サイドポンツーンをかなり絞り込んでいる事には間違いなく、排熱の問題からか、丁度ラジエターの上部辺りにルーバーが設けられている。多くのチームはマフラー後方にルーバーを設けているが、ホンダはサイドポンツーン前方からマフラーまでにルーバーを設けている。この処理の違いは興味深い。
 ウィングレットの形状は昨年とほぼ変わりはないが、フォワードウィングの位置は変更されている。昨年はリアウィングの翼端版からフォワードウィング伸びていたが、今年はウィングレットからフォワードウィングが伸びている。なお、リアウィングは昨年と大きく変わっておらず、形状は開幕戦までに変更される可能性が高い。
 最期にエンジンカバーに関してだが、昨年まで採用していたミッドウィングを廃止し、今年はマクラーレンのようなフラップがエンジンカバーサイドに設けられている。インダクションポッド後方のカバーの面積は増えており、これもマクラーレンなど多くのチームが採用しているものである。これも乱流を整流する働きがある。
 RA108は昨年のマシンと大きく変更されたマシンである。このマシンがいきなりトップ争いを繰り広げるとは思えないが、昨年遅れた分を今年取り返して欲しいものである。チーム代表にロス・ブラウンを起用し、大きく変わったホンダ。新しい体制でRA108をどこまで進化させていけるかに期待したい。
ホンダRA108:スペック
シャシー:カーボンファイバー製ハニカムコンポジット
ギヤボックス:カーボン製セミAT7速シーケンシャル
サスペンション:ウィッシュボーン&プッシュロッド/トーションスプリング&ロッカー
ダンパー:ショーワ
ホイール:BBS
ブレーキ:アルコン製キャリパー
タイヤ:ブリヂストン
クラッチ:カーボンプレート
全長:4700mm
全高:950mm
全幅:1800mm
電装系:FIAスタンダードECU/FIAホモロゲーション済み電装システム

ホンダRA808Eエンジン
排気量/気筒数:2.4リッター 90度V型8気筒
最高回転数:19,000回転(2007年FIAの規定による)
馬力:700馬力以上
バルブ:4バルブ/ニューマチックバルブシステム
スパークプラグ:NGK製
オイル:エネオス


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